Warning: Undefined array key "hide_breadcrumb" in /home/kuramachi/tri-eat.com/public_html/wp-content/themes/dp-colors/inc/scr/breadcrumb.php on line 14

【白嶽】リアル対馬の絶景! 山自体がご神体という霊峰は筆者史上一番危険度が高かった…… | 対馬市美津島町

長崎県は対馬に行くならここに登らないという選択はない。
PS4のゲームソフト、『Ghost of Tsushima(ゴースト・オブ・ツシマ)』に見事にはまった筆者が、対馬に一週間旅行した中で最高の景色を拝めたのと最大の危険を体験したのがこの白嶽です。

筆者の心の叫びのままに記事をしたためた(書き散らしたともいう)リアルな白嶽がここにありますので、登られる予定の方は是非ご一読ください。
但し、写真が多いです。つまりは記事が長いっす。

霊峰白嶽。せっかく登るのなら説明も聞きたいとガイドさんをお願いしていた筆者は待ち合わせの場所までレンタカーで向かいます。
すると見えてきたのは白嶽への標識。

……うん。
嫌いじゃないよ、その二重の案内。
何が何でも迷わせない力強さを感じるね。

白嶽への道は、これがまた結構な悪路でした。
しかも車一台しか通れないので、対向車が来た時にはバックスキルが求められます。

そしてまたある標識。
もはや手直す気がないであろう木版と手書きの案内。
『↑注意』がおどろおどろしい……いいよォ、いいよその無作法地帯感!
これが対馬ですよ!(※褒めてる)

さてさて、やってきました。白嶽登山口。
金田城(リンク先参照)と同じく駐車場スペースってのは案内板の目の前なのかね、ははは。
あっ、ここの手前に公衆トイレと整備された駐車場ありますが、そこには駐車しない方がいいです。
何せそこからこの登山口までは2kmほどありますから……。

案内板には登山ルートと各所で見られるポイントの写真、そして頂上からの景色があります。
合流したガイドさんが『これと全く同じ景色を見る事ができますよ!』と笑顔で伝えてくれました。
そうなんですか~えへへ楽しみですねぇと呑気に笑う筆者は、この時点で知る由もなかった……。
まさかその景色を見る最後の一手が、あんな難所とは……。

時は朝の9時。
木々の間から陽の光が差し込み、トレッキングに最適な空気と明るさが充満しています。

真っ直ぐに立つ杉の木と緩やかに流れる小川。
静けさの中、時折鳥達のさえずりが木霊しています。
音も御馳走ですね、とはガイドさんのお言葉。
確かにその通りです。気持ちがいいなぁ。

↑こーんな風に岩に根を張っている大木や。
↓こーんな大きな岩があったり。
いやぁ、この岩が転がってきたら即ぺしゃんこだな……と妙な所で天災を意識しました。

何せよ事前に聞いていた情報では登山時間は約2時間くらいとのこと。
2月には南米で意図せずの、しかも一日20km弱の往復トレッキングを三回氷河ハイキング野原ハイキング(各リンク先参照)を連日でこなした自分なので楽勝でしょと思っていたのですが……。

白嶽は危険度が違いました。

『この山は山自体がご神体なんですよ~。だから本当は喪中の方は登ったら駄目だし、実は対馬の山は全て個人が所有しているから無断で登ってはいけないんです~』
と言いながら、決して良い足元とはいえない道を、ひょいひょい進むガイドさん。
穏やかな物腰に、歴戦の覇者の風格を漂わせています。
待ってぇ~。

途中、Ghost of Tsushimaに出てくるような岩の穴を見つけて遊んでみる筆者。
どうやら昔の行者達はここで雨風を凌いでいたらしいです。
というかね!
ここ、ついくぐりたくなってしまいますが、本ルートはこっちではないですからねっ!

白嶽はそういった意味でも、初見の人はガイドさんを絶対にお願いしたほうがいいです。
頂上に向かえば向かうほど道が複雑になっていくし、命が保証されるならガイド料なんて安いものです。
だって見てくださいよ下の写真。

これ、ふっつーに右の斜面歩いて行きそうになるじゃないですか。
左ですから。
左のなんか岩がゴツゴツしている歩きにくそうな沢の上が正しいルートですから……!
案内板も何もありゃしない。
こりゃわからんよ……わからんぜよ……!

白嶽、危険だぜ……と思いながら尚も進むと、突然鳥居が見えてきました。
『ここからが更なる聖域です』とガイドさんが言われ、足元を見るとお塩が入った箱がありました。

ここで身体にお塩を振りかけて清めます。
もちろん鳥居をくぐる時は一礼を忘れずに。

鳥居を通った後の白嶽にはいくつかの祠があります。
この祠があれば、正規ルートという事なので間違っていません。
斜面も結構きつくなってきますよ。

よっ。ほっ。

ふぅう~。
……毎度思うんですが、写真だと伝わり辛いんですよね、山の斜面の角度って。
60度~65度くらいはあると思ってください。多分な!

頂上まであともう少しという所にやっと開けた場所がありました。
先に行った十数人のグループの方々はここからが険しいためか荷物を置いて行かれています。
小休止も兼ねて立ち止まり、振り返ればそこにも祠があります。

尚、この場所から少し外れた所に岩がテラス状になった場所がありますので、何か食べられる際はそちらでどうぞ。
この先で食べるのは禁止です。
(※霊山なので本来は全ての場所で禁止らしいですが……)

さあ、あと一息。
もはや岩としか表現がない道(?)を登り、最後のポイントに向かいますよ。

岩を超えると最後のポイント。
二つの祠があります。

因みにこの先は……やっぱりガイドさんがいないとよくわからないです。
読んでくださっている方、ルートわかりますか?

正解は……。

写真左上の辺りの斜面でした~。

……わかるかぁ!
ぶっちゃけそこ、単なる石ころがごろごろしてるだけのとこだからな!?
掴まる物も何もないわ!
頼みは自身の足腰のみ!

けれども、先に行かれていたグループの淑女達は『怖いわ~』と言いながら、するする降りてきます。
山慣れしておりますな……お主ら……。

さ、皆さん降りてこられたし、私は行きますか。
背負っていたリュックを祠の前に置き(見守っていてくださいとお願いしつつ)、カメラ一つで立ち向かいます。

ぬおああ! 岩あああ!
だが、岩を掴みっ、踏みしめっ……私は登る!

茂み!
茂みが迫ってきておるうう!

ここの幅、実際は50cmほどですから!
写真じゃ伝わらないけど!

そしてここからが

筆者史上一番ヤバかった。

最後。
頂上の岩の台があるんですが、そこへ上る手法は二つ。
一つめは真正面からよじ登る。

二つめは……左側面にある道(……?)を歩く。

この! 左側面が!
究極にヤバい!!
しかしここまで来たんだからぬおー、やったる! やったるぜ!

(※以下動画。音量注意)

わかっ……わかりますか、このヤバさ!
足元の道(?)、60cmないですからね!
一歩でも足を滑らせれば断崖にまっさかさまで人生THE END そう 死あるのみよ!
ロープ? ザイル? ビレイ?

あ り ま せ ん。

……ふぅう~。
綺麗……だな……。

綺麗だなああ~白嶽からの対馬の景色!

いや本当に素晴らしきよ霊峰白嶽。
360°の大パノラマ。

太陽光がさんさんと輝き、空気は澄み渡り、緑育む大地からの息吹が身体中を撫でていく。
深呼吸をすれば全身に気がみなぎっていくのが感じられます。
白嶽の力、すごい!

登ってきた疲れを忘れ、暫くのんびりと過ごしました。
ああ……帰る時が迫ってくる……帰るって事は、またあの……ね……うん。
道をね……うん……。

心が落ち着いた分、戻りには余計に怖さを感じました。
登ってきたときのアレはトレッキングハイだったんだなぁ……。

帰りの鳥居の前では、無事に降りてこれた事に感謝してお辞儀をしました。
余談ですが、鳥居は何故『鳥居』と書くのか。
一説では中国の古民族であるミャオ族にこの鳥居の形はあり、その上には鳥の彫刻があったらしいのです。
鳥は幸せを呼んでくるという意味で付けられていて、それが『鳥居』の由来だとか。
今は鳥の彫刻はなくなってしまっていますが、そんな云われがあったのですね。

白嶽は本当に素晴らしい山ですが、記事の通りにルートがわかりづらくまた、最後は危険なために初めて行く方はガイドさんをお願いした方が絶対によいです。
危険を冒してでも絶景を見る価値は……あると思いますよ。

しかしいやぁ……本当に……。
本当によく生きて帰ってこれたな、自分……。

ふぐぅうっ。(涙)

【POINT】
トイレは登山口2km手前の公衆トイレ以降ありませんのでご注意ください。
また、白嶽の山の物(植物や岩なども)持ち換える事は禁止されています。
地元のマナーを守り、登山ください。

【旅行日程】
対馬旅行日程はこちら

* 白嶽 (白嶽登山口) *
Address:長崎県対馬市美津島町洲藻
駐車場 一応有
【オススメの行き方】
やまねこ空港から車で19分(約8.1km)

※以下はガイド協会の「対馬観光ガイドの会やんこも」の情報です。
Tel:0920-52-1566
営業時間
9:00~17:00
定休日:お盆期間 8/12~8/15、年末年始 12/29~1/3
Web site :https://www.tsushima-net.org/yankomo/

◆こちらの記事は2020年11月の情報を元に作成されたものです◆