【Patagonia Bagual】野生の馬に会えるかも? 広大で割と過酷なハイキング | 南パタゴニア

馬にも野生という概念があるなんて……恥ずかしながら、筆者はあまり深く考えてはいませんでした。
調べるとどうやら日本にも半野生はいるようですが、チリの南パタゴニアの大自然の中で悠々自適に生きている野生馬に会える機会なんて滅多にないと思います。

こちらの【PATAGONIA BAGUAL】はそんな野生馬を見に行くハイキングを組んでいるツアー会社です。
エコキャンプ(リンク先参照)ではそのツアーを申し込む事が出来、早朝に専用車が待つ場所まで送迎してくれます。
もちろん野生馬に会える保障は一切無しですがそれも醍醐味の一つ。

専用車に乗り換えたら出発拠点となる場所まで向かいます。
途中グアナコも見れました。可愛い。

ところで拠点までは40分ほどかけて丘沿いを走るのですが……これが、ものっすごい危険!笑
いや、笑ってる場合じゃないくらいにかなり斜めにもなり、よく今まで車ごと転がり落ちなかったな……という経路をひたすら走られます。

いやほんと……よく……事故が起こってないもんだ……。

まず着いたのはこれからハイキングの先導をしてくれるガイド・ガウチョ(南米の遊牧民ともいわれます)の小屋で、ツアーに概要と野生動物についての説明を受けます。
暖かいコーヒーやお酒、ドライフルーツやチョコレートでおもてなしをしてくれるのが嬉しい。

そして大草原を歩くために防具も貸してくれます。
防具といっても重い物ではなく布のような素材でできたレッグガードです。
どうやらチクチクとした植物が沢山生えているようで、これがないと足に突き刺さってくるのだとか……こわ。

準備も万端。いよいよ歩き始めます。
この時のツアー参加者は8名ほどで、若いご夫婦もいらっしゃいましたし、ご年配のご夫婦もいらっしゃいました。
まあ前日までのトレッキングに比べたら単純に歩くだけだから、年齢関係なくどんな人でも大丈夫なのかな……と思っていたのですが、意外とそうでもなかった事が判明。

一番驚いたのは『本当に道がない』ということ。
普通ハイキングルートって少しは補正されたような道がありますよね?
でも、一切無いんです! ただただ草の上を歩くだけ!笑

整地されていない土の上というのは、意外と足腰に負担が来ます。
普段の生活では文明の恩恵を受けていたのだなと痛感。

ただその代わり人の手が入らない大自然を歩く感覚を得られます。
これは日本ではなかなか出来ないんじゃないかなぁ。
途中ではキノコが自生している木があったり……(このキノコは食べられるそうです)

風にしなる穂を見たりして楽しみ、童心に帰りながら歩き続けました。
そのうち草原を抜けて丘を登る事に。

丘……は結構急だな……。
若干道らしきものはあるけれど、これはこれでかなりの傾斜です。
と、自分の太ももを見てみると……。

わーお。
なんだかちくちくした植物が突き刺さっています。
これかー!
太ももはこれくらいで済みましたが、ふくらはぎの部分は惨状と化していました。
なるほど、防具をつけていなかったらチクチク攻撃で進む事もまかりならなかった訳だな……。

細い道も歩きます。
というか……この横もかなりの急斜面なんですが……一歩でも踏み間違えれば山の下に転落です。
……こ、こんなところをご年配に歩かせるのか……!?

さすが外国です。安全面がクレイジーすぎます。

そうそう、パタゴニア地方ではこの植物をよく見かけました。
『おじいさんの髭』と呼ばれているそうで、空気の綺麗なところにしか生息しないという事です。
一見ふわっとしていて柔らかそうですが、触ると意外にもごわごわで固いです。
初めて見る植物でちょっと面白い。

まだまだ丘を登りますよ。

登り切った先には湖が現れました。
やはり遠くまで眺められる景色は最高ですね。

途中には野生馬の足跡もありました。
なんだか痕跡を追って冒険している気分です。

ここらで一旦ランチタイムへ。
倒れた木の幹をベンチにして和やかな空気の中、会話が弾みます。

そしてそこからしばらく進んだ丘の上で、ガイドさんが『野生馬が見えるよ!』と教えてくれました。
おおー、どこだどこだ?

……ん?
……んんん?

うっおー!
遠っ……ていうか、ちっさ!
肉眼では見えないレベルの遠さで姿が小さいです!笑

さすがに笑っちゃうくらいの出会いでしたが、もっと近くに出現する事もあるのだとか……こればかりは馬の気分次第なので仕方ないですねぇ。

トレッキングほど高地ではありませんが、このハイキングでもなかなかの眺めが堪能できます。

野鳥を見つけたり。

ミツバチのようなハエ(!)を見つけたり。

なんと朱鷺もいました。

一瞬にして飛び去る朱鷺の姿を写真に収められた筆者。
素人なのに素晴らしい(自画自賛)

帰り道もひたすらに歩き続けます。
ご年配のご夫婦が『アフリカの景色に似ているね』と仰られていたのが印象的でした。
そうか……サバンナもこんな感じなのか……。

ガウチョの小屋に戻るとワインなどでおもてなしをしてくれました。
およそ6時間のハイキングで程よく疲れた身体にはよく染み込みます。

それから少し早めのディナータイム会場へ車で向かいました。
南米では主流のお肉である羊を丸ごと焼いてくれてましたよ!
(※以下丸焼き画像注意)

ワイルドー!
外で食べるのかと思いきや、小屋に案内してくれます。

色々な副菜やパンと一緒に羊肉をこれでもかっというほど取り分けてくれるママン……。
お腹もいっぱいになり、とても幸せな1日となりました。

エコキャンプへの帰りの車中、遠くに前日にトレッキングしてきた『Las Torres』(リンク先参)が見えました。
今日も素晴らしい天気ですね。


【POINT】
ティッシュとビニール袋持参がいいです。
何故ならガウチョハウスにもハイキングコースにもトイレがないから……そう、大人も子供も大自然の民に帰るのです。
もう、お分かりになりましたね……?

【旅行日程】
チリ旅行日程はこちら

* Patagonia Bagual *
Address:  Roca 817 of. 56, Punta Arenas, Chile
Tel: +569 9820 5688
web site:  http://patagoniabagual.com/

【ガイド紹介】
*Project Yosi
代表:本間賢人さん
web site:https://www.yosip.org/
※中南米の各国に特化したツアーをされていらっしゃいます。 
全てのホテル、車、飛行機、列車、チケット、食事等の手配をお願いできます。

◆こちらの記事は2020年2月の情報を元に作成されたものです◆