【熊野本宮大社】平安時代より続くよみがえりの聖地に参拝|田辺市本宮町

三本足の烏『八咫烏(やたがらす)』をご存知ですか?
古事記では、八咫烏が熊野に舞い降りたのは神武天皇が熊野に到着された時だと伝えらえています。
神の使者である八咫烏が神武天皇を橿原まで道案内をしたという事から、【熊野三山】といわれる熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社では「導きの神鳥」として信仰されるようになりました。

今回はその熊野三山の一社『熊野本宮大社』をご紹介します。

世界遺産の熊野古道にあるこの神社は、全国4700社以上ある熊野神社の総本宮です。
総本宮というと豪華絢爛なイメージがありますが、熊野本宮大社は静かに息づくように和歌山県田辺市の山中に在りました。

鳥居の前で一礼をして入ります。
参道では右端を登り、左端を下るのが作法といわれています。

まっすぐに続く158段ある石段をゆっくりと登ります。
杉木立の間に風が緩やかに吹いていて、神社の周りはどうしてこう気持ちが良いのでしょうか。

階段の途中、左手には祓戸大神(はらえどのおおかみ)が祀られています。
少し小さい空間なので見逃してしまいそうになりますが、参拝される方は最初にこちらにお参りをしてくださいね。

階段を上った先には手水舎があります。

神社に来たらまずは手水舎で清めましょう。神様にお参りする前に身を清めるという意味があります。
清め方は

①ひしゃくを右手で持つ。
②水をすくう。
③左手に少しかけて左手を洗う。
④ひしゃくを左に持ち換えて、右手を洗う。水は少し残す。
⑤もう一度右手に持ち換えて、左の手の平で水を受け取り、口に入れてすすぐ。
⑥すすいだ水を出す。(飛び散らないように)
⑦ひしゃく縦にして、最後に少し残っている水を柄に伝わらせるようにして洗い、元に戻す。

となります。

こちらは拝殿です。
拝殿の左右には金運が上がるという『大黒石』と長寿になれるという『亀石』があるので興味のある方は触ってみてはいかがでしょうか。

拝殿より右手側に本殿への入り口となる神門があります。

本来はここではなく少し離れた旧社地の大斎原(おおゆのはら)に十二社あったという本殿ですが、明治二十二年の大水害で中・下社が倒壊してしまったため、現在は上四社のみがお祀りされることになったそうです。
他の八社は石祠として、今なお大斎原にお祀りされています。

お参りの仕方と順番は次の写真の通り。

①証誠殿(本宮・第三殿) 家津御子大神 (素戔嗚尊)
②中御前(結宮・第二殿) 速玉大神(伊邪那岐大神)
③西御前(結宮・第一殿) 夫須美大神(伊邪那美大神)
④東御前(若宮・第四殿) 天照大神
⑤満山社         結びの神(八百萬の神)

となっています。
神様のお名前の後に仏様のお名前があるのは、奈良時代から平安時代にかけて仏教・密教・修験道の聖地ともなり、神=仏であるという考え方が広まったからだそうです。

神門を通ると砂利が敷き詰められた広々とした空間が現れます。
長く奥に続いている本殿の姿は綺麗です。
※本殿は本来撮影禁止となっています。ご注意ください。本記事は許可を得て撮影しております。

証誠殿(本宮・第三殿)

まずは本宮の第三殿から。

主祭神は、熊野三山の他二社とは異なる家都御子大神(けつみこのおおかみ)です。
熊野本宮大社は昔は熊野坐神社(くまのにいますじんじゃ)といわれていました。
家都御子大神は「熊野にいらっしゃる神」と呼ばれ、また、造船術を伝えられたことから船玉大明神とも称せられて古くから船頭や水主達の崇敬を受けていたそうです。

神社の参拝は基本的に二礼二拍手一礼です。

①お賽銭箱にお賽銭を入れます。(何円という決まりはありません)
②姿勢を正し、ゆっくりと二回お辞儀をします。
③胸の前で両手を二回叩きます。
④両手を静かに合わせたまま、目を閉じて心でご挨拶をします。
⑤最後にもう一度姿勢を正し、深く一度お辞儀をします。

中御前(結宮・第二殿)
西御前(結宮・第一殿)

続いて結宮の第二殿・第一殿の順番で参拝します。
第三殿から左へ一殿ずつお参りする流れです。

東御前(若宮・第四殿)
満山社

若宮の第四殿の天照大神に参拝した後に一番奥にある結びの神にお参りします。
ここには玉石が祀られていて、人の縁を結ぶ再生の玉石といわれているそうです。

お参りの後には授与所を覗いてみましょう。
御朱印もこちらで拝受できますが、もちろん参拝をしてからがマナーです。
ちなみに『産田社』『大斎原』の御朱印もこちらで拝受できます。

お守りもいくつかあります。中でも神社のシンボルとなっている八咫烏が素敵な『勝守』は刺繍されている炎の色によって意味合いが違いますが、どれも自分に勝つためのお守りのようです。
素戔嗚尊(すさのおのみこと)の力を借りれるなんてご利益ありそう!

八咫烏がちょこんと乗っている『八咫烏ポスト』には社務所で販売されている八咫烏ポスト絵馬を葉書として投函できるそうです。
ポスト上の八咫烏は本来は黒色ですが、2019年は「紀伊山地の霊場と参詣道」世界遺産登録15周年を祝って熊野の自然を表す若草色に塗り替えられています。

さあ参拝は終了……というわけではありませんよ!
旧社地の大斎原の八社にも参拝しましょう。
先程の石段を下りて国道まで出ます。

国道を挟んだ向かい側に、大斎原まで続く細い道があります。
一瞬本当に合っているのだろうか……と悩んでしまいますが、大丈夫ですよ 笑。

途中にある伊邪那美命(いざなみのみこと)の荒御魂がお祀りされている産田社にもお参りしてくださいね。

産田社から振りむくとそこには……。
……ん? なんだあれ……。

ひえ~~!
畑の向こうになんとも大きい鳥居が見える~~!!

歩いても歩いても一向に近づかない鳥居。
それもそのはず、こちらの鳥居は『日本一の大鳥居』と言われているのです。
高さ約34m、幅約42mに及ぶというのですから圧巻~!!

鳥居の正面真ん中には八咫烏の紋章が金色に輝いています。
可愛い……。

この大鳥居は一度見たら忘れられません。

大鳥居の前でも一礼し進んでいくと、平坦な参道がまっすぐに続いています。
昔はこちらに本宮があって、皆歩いていたんですね。

大斎原は今でももちろん聖地です。
ですので一見公園に見えるこちらもしっかりとした規制があります。
動植物はもちろん、朽木や倒木も勝手な採集は禁止されていますのでご注意ください。

当時は能舞台もあって広大な本宮があったという大斎原に今あるのは緑の地。
しーんとした中を進んでいくと、二基の石祠がひっそりとありました。

左側に中四社下四社を、右側に境内摂末社の御神霊がお祀りされています。
こちらも二礼二拍手一礼でお参りしてください。

紀元前33年より信仰がある「熊野本宮大社」は、伺った瞬間から何か力を感じる神秘的な場所。

古よりの聖地に、是非赴いてみてくださいね。

【POINT】
大斎原から歩いて行ける『熊野川』の景色も綺麗です!

* 熊野本宮大社 *
Address:和歌山県田辺市本宮町本宮1110 
Tel:0735-42-0009 
参拝時間 
6:00~19:00
※お守り・御朱印等の拝受は8:00~17:00
web site: http://www.hongutaisha.jp/

【オススメの行き方】  (公式ウェブサイトより)
南紀白浜空港より直通バス140分

◆こちらの記事は2019年7月の情報を元に作成されたものです◆