【レストケイヤマウチ】地産知称・愛知の素材が最大限に生かされた五感で楽しむフレンチ!| 名古屋市中区
『変態って言われるのが最大の誉め言葉なんですよ』
キラキラした爽やかな笑顔で驚きの言葉を口にするのはオーナーシェフ、山内賢一郎さん。
へ、ヘンタイって何かの業界用語ですか……? と思わず聞き返してしまった筆者がいるのは名古屋市の栄からほど近いビルの三階にあるフランス料理店。
エンジ色の猿のロゴが可愛らしい入口と伝統的かつ洗練された内装の高級感あるレストラン【RESTAU K YAMAUCHI(レストケイヤマウチ)】です。
テーブル席も素敵なのですが、今回筆者は更に特別感を味わえる個室でお料理を頂いてきました。
個室は最大四名までが座れるカウンターとなっていて、ぐっとシックな雰囲気となっています。
席の前には本日のメニューが置かれています。
本を模した照明の上にあって、これからお伽話の世界へ行けるような雰囲気です。
と、驚きなのはなんとこの個室、コースがスタートすると正面の幕が上がってキッチンが丸見えになるのです!
しかもガラスもアクリルも何も遮る物がない正にライブキッチン!
もちろん調理工程からスタッフの方の一挙一動、会話等が全て見えます。
これはレストランの裏という、普段なら顧客が目にする事のない箇所を堂々とお披露目できる、ある意味自信がないと出来ないパフォーマンスです。
いよいよコーススタートです。
2020年の10月中旬のコース、まずは鳥の巣の中にある赤い卵のようなアミューズから。
熱いのでお気をつけくださいね、とスタッフの方に言われたのに関わらず興味からすぐさま手に取ってしまいました。
『あちっ』と言いながら口に入れると、香ばしいサクサク感と甘みのある餡が中から出てきました。
メニューを見ると『ビーツの団子 トリフ』とあります。
なるほふぉなるほふぉ(※熱い)
アミューズ二つ目はクラフトビールと卵白で作った軽くて少しほろ苦いマカロンに枝豆ペーストが挟まれて、地元の醸造所のもろみがちょこんとついています。
小さいこの一品に拘りが詰まっているのに、口に入れると一瞬で溶けてしまう……儚いな……。
他にも、じゅわりとした脂の乗りが程よい鰻がパリパリの海苔で巻かれた逸品や、フォアグラとバナナという珍しい組合せを八丁味噌を練り込んだ薄い生地で巻いた地元食材の重層アミューズが続きます。
さくっとした生地に、フォアグラとバナナのねっとり感がより舌を楽しませてくれます。
また、生地の上に少しかかっている茶色い粉は醤油の粕だそうです。実はデザートにもみりん粕を使った一品があったのですが、通常なら捨てられてしまう食材をフードロス削減の一環として使っているのもお店の拘りの一つなのです。
と、突然ピヨピヨとした鳥のさえずりと共に、鳥かごが現れました。
こっ……これは……?
『サプライズアミューズです』と女性スタッフさんが笑顔で答えてくれました。
どうやら鳥籠に音響が仕込まれているようです。
良く見れば、止まり木の(フェイク)鳥さんの下には香ばしく揚げられた鳥肉が鎮座していました。
鳥さん……楽しそうに歌ってるけど……そこにいるの君の仲間なんやで……。
シュールな世界です。食べるけどね。旨ー!
ここからはカトラリーを使うお料理です。
ハート型の盛付のようにも見える車海老と白うどのマリネには、赤万願寺唐辛子とトマトのソースがかけられます。
海老は弾力ある柔らかさだし、白うどのマリネのシャキシャキ感とソースの優しい酸味がアクセントになってとてもおいしい!
あいち鴨と焼きなす、松茸の組合せのお味は脱帽。
具材はもちろん美味しいのですが、いや……ちょ……先程の万願寺唐辛子とトマトソースにしても、これも、かかっている香ばしいソースをスープとして飲みたいくらいに極上のお味なんです。
聞けば元々賄いとして出していたのだとか……う、羨ましいー!
ワインと共にふわあ~とした気分で楽しんでいると、お店の名物(?)が出てきました。
パーン!笑
これを目当てに来られる方も多いという長いチャパタです! 焼きたてなので熱々~。
下からちぎって食べていくのが、また楽しいです。
するとここでメインに使われる牛肉がお披露目。
源氏和牛という聞きなれないブランドは熟練の名人達により生み出された超希少種で、サシと脂身のバランスが素晴らしく、脂の融点はなんと14度なんだそう!
私の前でご挨拶したお肉さんは、これからたった一分の火入れをされて後は温蔵庫で予熱調理されるという事です。
いってらっしゃい……! 達者な姿で帰ってくるのだよ……!
その間にまだまだ素敵なお料理がサーブされていきます。
烏賊とイカスミに雲丹が乗った海の幸は、烏賊が柔らかくて旨味があります。
もちろんこの日もワインペアリングでお願いしている筆者。
『レストケイヤマウチ』ではお料理に合わせて日本酒もセレクトしてくれます。おいしー……。
お魚料理が出てきました。
こちらは三河産の甘鯛になんと鱧を併せちゃった贅沢な一皿!
とっても濃厚に見えるソースも、淡泊なお魚の味を損なう事のない旨味溢れるお味です。
お皿に残ったソースはチャパタに付けて残らず絡めとりますぜ……。
そして、帰ってきましたよ!
お帰りなさい、源氏和牛様! 黒ニンニクとマデラ酒ソースを纏っておめかしされています。
バターナッツカボチャの彩りのアクセサリーも映えながら、お肉のピンク色が麗しいですね、ふふふ。
それでは頂きます。
……!
……!!
あ、あのですね……。
よく『舌の上で溶ける』っていう表現があるじゃないですか……。
恐れながら筆者、そういうの聞いてもアイスじゃあるまいし何を言うとるんだ、フッ。と、思ってたんですよ……。
土下座させてください、これは本物。
肉の旨味と脂の旨味が口の中で一気に溶けて、そしてなくなる! 余韻が甘い!
はあ~最高だ……。
幸せを感じながら頂くデセールにも拘りが詰まっています。
みりん粕のアイスはほんのりした粕の甘みもあったし、青じそのアイスクリームも美味しかったなぁ。
ところで今回出されたお料理の中には、メニューに書いてないのもちらほらありました。
オーナーシェフの山内さんに伺うと、なんと来店したお客さんによって少しアレンジを加える事があるのだとか!
お酒を飲むか、男性なのか、女性なのか……その時々によって変化させるのでスタッフは大変ですと山内さんは笑っていました。
いやでも、顧客側からするととても嬉しい心遣いです。
メニューは大体二か月半で更新され、スパンが早い常連さんにはもう少し後の時期にご予約を……と言う事もあるそうです 笑。
拘りがない事が拘りなんですよと山内さんは仰られていましたが、愛知県産の食材への拘りは相当な情熱の賜物。
見て、聞いて、触って、嗅いで、味わう。
五感で楽しめる先鋭的なフランス料理の数々は素敵な時間を過ごせる事、間違いなしです。
【POINT】
顧客によってインスピレーションを受けてメニュープラスアルファしちゃう拘りは確かに変★態★でした。
その他 愛知県のおススメはこちら!
* RESTAU K YAMAUCHI *
Address:名古屋市中区錦2-12-21 錦カナアンビル3F
Tel:052-222-6252
営業時間
火〜日:12:00〜15:00、18:00~23:00
定休日:月曜・月に一度連休有(不定休)
Web site : http://french-yamauchi.com/
Instagram:https://www.instagram.com/restau_k_yamauchi/
【オススメの行き方】
・地下鉄桜通り線 丸の内駅5番出口より 徒歩5分(約400m)
・地下鉄東山線 伏見駅1番出口より 徒歩6分(約500m)
◆こちらの記事は2020年10月の情報を元に作成されたものです◆