【南部鉄器 OIGEN (オイゲンファクトリーショップ)】一生ものの調理器具を | 奥州市水沢

一度は耳にしたこともあるのではないでしょうか、『南部鉄器』という名称。
名産の地である岩手の盛岡市と奥州市ではそれぞれ歴史が違うというこの鉄器は、古くから人々に愛されてきた奥深い工芸品です。

1852年に及川源十郎さんという方が創設された160年以上の歴史がある及源鋳造。
工房に隣接されたこちらの『OIGEN FACTORY SHOP』では、大切に造られた製品を購入することが出来ます。

外階段を上がって扉を開けた先には、明るい店内に定番から面白い形の南部鉄器がたくさん並べられています。
鉄器というと結構暗い感じがするのですが、結構印象が違いますね。

まずはひとつひとつをじっくり見て周ります。

お湯を沸かす鉄瓶やお茶を淹れる急須です。
私も一つこちらの鉄瓶を持っていますが、やさしくまろやかなお湯でお茶を淹れるのに冬場大変重宝しました。
製品によってはガスコンロだけではなく、IHに対応しているものもあります。

鉄器というと気になるのが錆ですが、錆とは鉄が酸化しているだけなので身体に悪影響はないとのこと。
ショップで購入した商品には、ちゃんとお手入れ方法が付いてくるので安心です。

デザイン多様

こちらの『タミさんのパン焼器』は人気商品の一つ。
2014年に100歳を迎えられた石巻市のタミ子さんという女性は、実は及源鋳造5代目当主のおばあさま。終戦後、食糧難だった時に子供達におやつを食べさせてあげたくて露店で見つけたジュラルミン製のパン焼き器でサツマイモや粉を混ぜて焼いていたというお話を、5代目が聞いて南部鉄器で復元して製品化したそうです。

時代に合わせて作っていくため、今や標準装備であるガスコンロの過熱防止(SIセンサー)にも対応しているのは流石。

ホットサンドメーカーも超人気商品!
パンに好きな具材を挟んでこんがりと焼いたら、皆が笑顔になる朝サンドが完成です。

他にもお肉やお魚が焼けるグリル調理器や鉄鍋、 テーブルにそのまま出しても良さそうな器やアウトドアで活躍するダッチオーブンなど、ラインナップは充実しています!

特徴はさらさらとした鋳肌にもあります。
表面は細かいのですが、実は内部が少し荒く作ってありガスが抜けやすいようにしているそうです。
こびりつきにくく洗いやすいのも人気の秘密の一つですね。

受け継がれている名器

お店の七割を占めるという調理器具の数々。
そう、奥州市は南部鉄器の中でも調理器具が主流の歴史を持っているのです。
受け継がれてきた技術により、現代のライフスタイルに沿って作られた数々の器具に魅了されてしまいます。

ショップでは伝統的製法により作られた、少しお値段が張る作品もあります。

二十数名しかいないといわれる南部鉄器の伝統工芸士が製品を作られる際に使う上の写真の焼型は、歴史あるものではなく、なんと最近の型だそうです。
今も近くを流れる北上川から砂を取り粘土を練って砂型を作ります。
細かく分ければ80以上の工程があり、職人から職人へ受け継がれてきた伝統の技を是非ご覧ください。

自分だけの調理器具

スタッフの方に南部鉄器の魅力をお伺いすると、やはり熱効率が非常に良く、食材の旨味を閉じ込めるように側面にも中心にも均等に火入れが出来るところ。そして蓄熱性が良いので変に熱ムラが出ないところということでした。
また、一部を除き取手や柄の部分が一体型になっているので壊れにくいのも特徴です。

使い込むほどに味わいが出て、一生ものになることも素晴らしい南部鉄器。
持っているとおいしい料理が作れちゃう……かも?

【POINT】
調理した後に触るとめっちゃ熱いから気を付けて……。

* OIGEN *
Address: 岩手県奥州市水沢羽田町字堀ノ内45
Tel:0197-24-2411
営業時間
9:00-17:00
定休日:不定休
駐車場有
web site: https://oigen.jp(オンラインショップ有)

【オススメの行き方】
・東北本線 水沢駅からタクシーで12分(約4.3km)
・東北新幹線 水沢江刺駅より徒歩10分(約750m)

◆こちらの記事は2019年4月の情報を元に作成されたものです◆